見た目が気になるという審美的な意味で、
歯科矯正を受ける患者さんも多いですが、
歯並びは健康にも影響します。
たとえば、噛み合わせが悪い方の場合、歯やあごに
負担がかかり、身体全体が歪んでしまう危険性もあるのです。
また、歯並びが悪いことによって『睡眠時無呼吸症候群』と
なったり、正常な歯並びの方よりも歯周病(動脈硬化や
糖尿病との関係性が学会で発表されている)や
歯を失うリスクが高いと言われています。
当院では、全体矯正に加えて、前歯だけの審美矯正や
クイック矯正(セラミック矯正)、歯を抜かない矯正も行っています。
歯科矯正は、10才代〜70才代まで幅広い患者さんが受けておられますので、
歯並びが気になる方は、お気軽にご相談ください。
矯正歯科治療では、人種や年齢、性別などで一人一人に
明確な体格差があり、これだけで良いという治療方法は存在しません。
また、全員が同じように成長・発育することもありません。
できるだけ矯正治療がうまくいく確率を上げたい、
と考えた場合、子供の矯正は、人種別・年齢別に算出した
平均値との比較をし、それに近づける方法が良いと
考えられてきました。
1905年、Dr.アングル・Dr.ツイードという
二大矯正医の一人が提唱した抜歯・矯正の伝統がございます。
その考え方のベースは
[大臼歯(大きな奥歯)を後方に移動することはできない。よってスペース不足は
第一小臼歯(前から4番目)の抜歯によって解消する。]というものです。
長らくこの方法は矯正歯科治療の主流として捉えられてきました。
個人によって好みは分かれますが、抜歯を行うことより口元がすっきりする効果もございます。
メリット | デメリット |
---|---|
●口元のふっくら感が解消されます。 (欧米人タイプの口元になります) |
●基本的に健康な永久歯を4本抜歯することに なります。 歯列のアーチが少し小さくなることで 舌の入るスペースが不足し、しゃべりにくくなる こともあります。 また、治療期間が長く、保定が不十分だと 抜いたスペースが開いてくる場合もあります。 |
しかし、技術が進歩するとともに、矯正にも様々な方法、アプローチが登場しました。
下記に幾つかをご紹介いたします。
そうすると、歯を抜かないと平均値まで下がらないので、
教科書に習い歯を抜いていました。
ただ、成人の場合は平均など関係なくなってきました。
例えば、実際は身長170センチの女性と140センチの女性がいます。
そうすると、普通に考えると身長170センチの女性を、
平均である154センチの女性の歯に合わせようとすると、
無理して口のサイズを小さくすることになるので大きな負担が生じます。
ところが従来の矯正はそれを行なっていたのです。
当院では、美的観点から、従来の矯正のように平均値を基にした治療ではなく、お一人おひとりのお顔を
しっかりみて各々に合わせて「抜いたほうがよいのか?」「抜かなくてもきれいにできるのか?」を判断、
ご提案させて頂いております。
※親知らずは除く。
従来であれば、小さな子供の歯の矯正治療は約2年かかります。
大人の場合は症状にもよりますが3〜4年程かかる場合があります。
なぜ、従来の方法が2倍の時間がかかるかというと、
今までの方法は歯を並べる以外に、歯を抜いたときに
余る隙間を埋めるのに時間がかかっていたからです。
抜かない矯正方法は二つあります。
1つは歯の並んでいるアーチを少し膨らませる事によって歯並びを良くする方法。
(歯列弓の拡大、大臼歯の近心傾斜の解消(親知らずの抜歯を含む))
もう1つはわずかずつ少し膨らんでいる歯を細くすることによって隙間をつくり歯並びを良くする方法です。
電車の座席で例えるなら、三人掛けの座席に体の大きな男性が詰めて座っている状態で、
一人が窮屈で席を立ってしまい、二人でゆったり座るのが従来の矯正です。
それに対して、少しずつ席をつめたり横に置いた荷物をどけるなりして三人とも座るのが、当院の矯正方法です。
現在矯正をお考えの方はお気軽にご相談下さい。
おおよその治療費用と期間をご提示させて頂きます。
歯を移動させるのではなく、でこぼこの歯を削って
セラミッククラウンなどによってきれいな歯並びに変える方法です。
メリット | デメリット |
---|---|
●通常の歯列矯正よりも短い時間で 綺麗な歯並びが実現できます。 |
●歯を抜いたり、歯の神経を取ったりするため、 通常の歯科治療技術によって 治療結果が大きく左右されます。 |
・歯並びが気になる
・美しい歯並びを手に入れたい
・健康な歯を一生、保ちたい
メリット | デメリット | |
---|---|---|
歯を抜く矯正 | ●口元のふくらみが、スッキリする | ●歯の数が減る ●治療に時間がかかる |
歯を抜かない矯正 | ●小臼歯4本を抜かないので、 歯列アーチが狭くならない。 ●比較的、短期間で治療を終えられる |
●強度の出っ歯や受け口には対応できません。 (歯科大学の附属病院をご紹介します) ●口元のふくらみはそのままです。 嫌いな方には向かない方法です。 |
「前歯の凸凹や、すきっ歯を治したい」、
「自信を持って笑えるようになりたい」といった、
審美的な意味での歯科矯正をご希望の方は、
審美矯正をおすすめいたします。
歯全体の歯科矯正ではなく、気になる前歯を矯正することで、
美しい歯並びをつくる治療法です。
患者さんの歯並びによっては、2〜3本の歯を
審美矯正するだけで、大きく口元の印象を改善できます。
・約6か月ほどの短期間で終了できる。
・歯を抜かずに治療できる。
・上の前歯だけの歯列矯正。
・早く、安く、痛みが少ない。
・成人矯正でできやすいブラック・トライアングル(生え際のすき間)が小さくなる。
・噛み合せや歯の状態によっては、無理な場合があるので、事前の検査が必要(診査・レントゲン・写真・模型)
・奥歯を動かさないので根本的な噛み合わせの治療とは違います。
歯並びを治す場合、歯科医師の立場からすると、
本来ならば奥歯の噛み合わせもきちんと治した方が
良いといえます。
とはいえ、私自身も矯正治療を受けているので
わかるのですが、患者さんの立場に立って考えると、
「前歯の見た目だけが気になっているので、
とにかく簡単で安い治療が良い」
という気持ちも良くわかります。
詳しくはご相談ください。
舌側に矯正装置を取り付けるため、一見すると
何も付けてないように見えるのが舌側矯正です。
矯正はしたいけれど、矯正装置が見えていると問題がある、
あるいは矯正中であることを見せたくない方に
適した方法です。
短所としては、通常よりも奥の方へ矯正装置をつけるため
違和感が大きく、舌に当たることで口内炎や発音不良が
起こる頻度が通常の矯正装置よりも高くなります。
通常の矯正装置でも口内炎などが発生する場合は
ございますが、舌側矯正はより顕著です。
また、かなり高価となります。
詳しくはご相談ください。
歯に矯正ワイヤーを装着しないため、目立たず取り外しが
容易なのが、こちらのマウスピース矯正です。
ワイヤーが常時見えていることに抵抗がある方は、
こちらの矯正方法をお勧めいたします。
短所としては、プログラムに沿ってマウスピースを
交換していくシステムのため、 途中でマウスピースが
入らない時期があると、効果が得られ難い場合があります。
また、大きな移動を伴う矯正には不向きな場合がございます。
その他、矯正治療初期に起こる痛みに耐えられず
マウスピースを外してしまうと治療効果が得られません。
また、比較的矯正治療の中では高価な部類となります。
それゆえ、一定期間(一年〜移動治療に要した期間)
保定装置を入れる必要があります。
・ねん転歯(rotation)
・空隙歯列(歯のすき間)
・抜歯矯正のすき間
・低位歯(八重歯など)や歯根の挺出
・永久固定になる歯(歯周補綴など)
当院では、患者さんのご希望をお聞きした上で、
最善と思う治療方法をご提案しますので、お気軽にご相談ください。